アンティークなインテリアの印象を、そしてアンティークな照明そのものの印象を決める飾り。
“シェード(笠)”には、さまざまな形のものがありますよね。
形だけではなく、光の透過の点でもその光の種類は異なってきます。
その数の多さ故に、シャビーシックなインテリアや、クラシカルなインテリア。
また、かつてのイギリスを彷彿とさせる格式高いブリティッシュ・インテリアまで、そのテーマに合わせてどのようなシェードを選べば良いのか悩んでしまいます。
そこで今回は、アンティーク照明における“シェード”に焦点を当て、どのようなシェードがどのようなインテリアと相性が良いのか、といったお話を、第二回に渡ってしていきたいと思います。
ほんの一例ではありますが、ご参考までに読んでみて下さいね。
それでは早速、シェードの素材別に見ていきましょう。
『布』製は布そのものの柄も光のポイントに。
まずはこちらのフロアライトを例に挙げてみます。
こちらの形状は一般的な傘型のシェードで、一見アンティークな照明の中ではシンプルな部類に入ります。
それではこちらに明かりを灯してみましょう。
お分かりでしょうか。
温い光から、シックな柄が浮かび上がりましたね。
このフロアライトにはジャカード生地が使われています。
ジャカード織が発明されたのは、1806年のフランス。
ジャカールという人が発明した織機だから、ジャカード織と呼ばれるのだそうです。
光に透かした柄が立体的で、綺麗ですよね。
このように布製のアンティークシェードは、柄も一つのポイントに含まれます。
特に白いアイテムを数多く組み合わせることの多い“シャビーシック”なインテリアを目指す方の場合で、この布製のシェードランプを選ぶ場合は、柄の組み合わせにも気を配ってみると、より良い素敵なインテリアが出来上がるかもしれませんね。
次に、ガラス製のシェードを見ていきましょう。
今回は壁に取り付けるブラケットタイプのものを例に挙げます。
こちらに用いられているガラスは、半透明なガラスの中でも“フロストガラス”と呼ばれています。
ガラス製の照明は、こういったフロストガラスの他にも乳白色の“ミルクガラス”や鮮やかな色付きの“カラーガラス”などがあり、アンティーク好きには人気のランプシェードと言えるでしょう。
中でも19世紀中期から50年ほどしか製造期間がなかったことで有名な“ヴァセリン”ランプは、アンティーク照明好きがこぞって買い求める大変レアな照明です。お目にかかれたらラッキーかも?
とはいえ、ヴァセリン以外のガラス製ランプにも綺麗なアンティークは沢山あります。
こちらのランプも、フリルが綺麗で素敵ですよね。まさに職人芸です。
繊細さも兼ね備えたクラシックインテリアをご所望の方は、ガラス製の照明を取り入れてみることをおすすめしますよ。
ホーローとは、お鍋などにも用いられる素材です。
金属の下地にガラス質の釉薬を塗って、焼き付けたものがホーローと呼ばれます。
良く見るアンティーク雑貨のホーロー素材の中に、下地のつるつるした部分が剥がれた何ともシャビーなアイテムがありますが、こういった製作過程を経ているからこそ見られる経年劣化だったのですね。
味わい深いものです。
ホーローは、アンティークインテリアの中ではシンプルな部類に属し、キッチンカウンターの上に吊るされるペンダントライトや、テーブルライトなどに用いられます。
このホーロー製ランプを用いたインテリアには、レトロなアメリカンスタイルや、ヴィンテージスタイル、モダン・アンティークスタイルなどがあります。
格式張らない、今風のアンティークを楽しみたい方は、ホーロー製のシェードランプを取り入れてみるのはいかがですか?
第二回に続きます。