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椅子の歴史 西洋アンティークに見る

西洋アンティーク家具の中でも、椅子の歴史は興味深いものです。
現代に生きるわたしたちにとって椅子のない生活など考えられませんが、シンプルなデザインのものであれ、装飾性の高いものであれ、インテリアとしての椅子の存在感は大きいもの。

比較的小さなサイズであるにもかかわらず存在感が大きいからこそ、古代においては椅子が「権力の象徴」として存在しました。
絶えず働く必要があり、日の沈まないうちは座ることも許されなかった庶民と権力者を隔てるものが椅子だったのです。
さまざまな種類の家具がありますが、王座や社長椅子など、椅子ほどそこに座る人の社会的地位を表しやすい家具はないのではないでしょうか。

家具としての椅子の起源は古代エジプトにあるといわれていますが、西洋アンティーク家具はもちろん、西洋アンティークチェアの多くは古代ギリシャの様式に由来しています。
古代に作られた家具は朽ちやすい素材から作られているため保存が難しく、その様式を知るには墓碑やフレスコ画、陶器の装飾から手がかりを得ることも少なくありません。

一例として、紀元前410年頃(クラシック期)の古代ギリシャ墓碑「プロクセノスの娘ヘゲソ」を挙げることができるでしょう。
「プロクセノスの娘へゲソ」は、アテネ国立考古学博物館に収蔵されています。
ギリシャ全土からの出土品を数多く展示しているアテネ国立考古学博物館の中でも、ヘゲソの墓碑は優れた芸術作品とみなされています。

この墓碑には、ヘゲソという名の少女が冥界に旅立つため、召使いが差し出した宝石箱の中から宝石を選んでいる様子が描かれています。
年頃の若い女の子であれば、昔も今も変わらずおしゃれにはうるさいもの。
しかし墓碑を見る限り、若い少女特有の明るさやはつらつとした様子は微塵も感じられません。

宝石を選んでいるヘゲソの目は虚ろでどこか悲し気でもあり、それを見守る召使いも同じく悲しみに包まれています。
現世を後にしなければならないヘゲソは、墓碑の中で力なく椅子に座っているようにも見えます。
その様子はまるで彼女が座っている椅子だけが、彼女を現世につなぎ止めておくための唯一のものであるかのようです。

この少女ヘゲソが座っている椅子ですが、アンティーク家具を愛する人であれば、彼女が座っている椅子の優美なデザインに目を奪われるのではないでしょうか。
「クリスモス」として知られている少女ヘゲソが座っている椅子は、古代ギリシャ時代の代表的な椅子で特に女性が座るための椅子として知られています。
ゆるやかにカーブした背面を持ち、椅子の脚部が弓状に反った椅子は、まるで女性の柔らかい体や曲線美を表現したかのようなデザインです。

「クリスモス」はヘゲソの墓碑だけではなく、アリストンとロディラの娘「アリステュッラ墓碑」や幼児を膝に乗せた女性「アムファレテ墓碑」にも登場します。
古代ギリシャで広く愛された椅子のデザインはアンティーク家具やアンティークチェアにも引き継がれており、2000年以上経った現在でも十分通用するデザインです。

<さらに、古代ギリシャでは女性たちが座ったとされる「クリスモス」だけではなく、4本足のスツール「ディフロス」や折りたたみ椅子「オクラディアス」、そして家長や来客用の「スロノス」といった椅子が日常的に使用されていました。
生活様式や使用者に合わせて、椅子のデザインやスタイルも多種多様になっていった古代ギリシャ時代。
ローマ時代にはギリシャ様式に加えてエジプト様式も取り入れられ、より装飾的な椅子が登場するようになります。

 

しかし、古代ギリシャの椅子たちはアンティークチェアをはじめ、アンティーク家具やインテリアにも多大な影響を与えたことは間違いないといえるでしょう。