こんにちは。
福岡県糸島市のアンティークショップ
アンティークハウスぺルラ
店長の畑です。
今日は椅子の種類の一つ、
”ウィンザーチェア”
について書いていきたいと思います。
誰でも一度は目にしたことのある
背もたれに棒が並んだ椅子。
この椅子が生まれたのは17世紀後半ごろ。
(英国の記録に残る最も古い
ものは1714年製だそう)
イギリス、ウィンザーの名前を冠してはいますが
最初に作られた場所は不明とされています。
ウィンザーチェアと呼ばれるようになったのは
18世紀初めごろにウィンザーの市場から
ロンドンに大量のこの椅子が輸送された
ことに由来しているようです。
この時代の家具たちの多くは
当時の中央・上流階級から地方・庶民に
広まっていくのが常でしたが、
このウィンザーチェアはその逆。
カントリーサイドから
趣と実用性を備えた民芸家具として
イギリスやアメリカの中央でも
人気を博していきました。
使いやすく堅牢で優れた座り心地、
シンプルな構造で優れた製造コスト。
その無駄のない素朴な造形美から今でも
世界中で製造され愛されています。
そんなウィンザーチェアの中でも
ちょっとした形状の違いで
呼び名を変えることがあります。
中でも代表的な所をメインにご紹介。
まずは背もたれの形状から2種類。
コムバック
(comb back)
ウィンザーチェアの中でも
最初に出てきたのがこの形状。
コムとは櫛(くし)の事。
スペイン風の櫛に似ていたことから
こう呼ばれるようになったと言われています。
ボウバック
(bow back)
弓(bow)を強く引いたような逆U字の背もたれ。
曲げ木の技術を取り入れています。
前述のコムバックよりも強度が出しやすい
合理的な構造。
コムバックと並んで
ウィンザーチェアの基本形として
今でも根強く愛されています。
次に背もたれ”以外”の部分の形状により分別される
ウィンザーチェアを2種類。
スモーカーズボウチェア
(smokers bow chair)
ローバックチェアとして
社交場や官公庁の喫煙室で
よく使われていたことから
スモーカーズボウと呼ばれています。
座り心地の良さから19世紀前期の
イギリスの公共施設でも大流行したそう。
キャプテンチェア
(captain's chair)
「キャプテン」の名は一般的には、
船の船長室で用いられたことにちなむとされます。
(厳密にいうと船長ではなく、
補助をする水先案内人の小屋で
使われていたとか)
そのデザイン・構造は
前述のスモーカーズボウに影響されたとみられ、
アメリカで誕生後イギリスに逆輸入されて定番化。
元々の定義としては
背もたれと一体化したアームがカーブして
座面まで下りている事と、
4本の脚が貫でつながれている事
としていましたが、
今ではその定義も曖昧になり
スモーカーズボウなど、
背もたれとアームが一体化している
椅子全般をキャプテンチェアと
呼ぶことが多いようです。
【アーコールについて】
ウィンザーチェアというと
有名なのがアーコール(Ercol)社。
福岡県糸島市のアンティークショップ
アンティークハウスぺルラ
店長の畑です。
今日は椅子の種類の一つ、
”ウィンザーチェア”
について書いていきたいと思います。
誰でも一度は目にしたことのある
背もたれに棒が並んだ椅子。
この椅子が生まれたのは17世紀後半ごろ。
(英国の記録に残る最も古い
ものは1714年製だそう)
イギリス、ウィンザーの名前を冠してはいますが
最初に作られた場所は不明とされています。
ウィンザーチェアと呼ばれるようになったのは
18世紀初めごろにウィンザーの市場から
ロンドンに大量のこの椅子が輸送された
ことに由来しているようです。
この時代の家具たちの多くは
当時の中央・上流階級から地方・庶民に
広まっていくのが常でしたが、
このウィンザーチェアはその逆。
カントリーサイドから
趣と実用性を備えた民芸家具として
イギリスやアメリカの中央でも
人気を博していきました。
使いやすく堅牢で優れた座り心地、
シンプルな構造で優れた製造コスト。
その無駄のない素朴な造形美から今でも
世界中で製造され愛されています。
そんなウィンザーチェアの中でも
ちょっとした形状の違いで
呼び名を変えることがあります。
中でも代表的な所をメインにご紹介。
まずは背もたれの形状から2種類。
コムバック
(comb back)
ウィンザーチェアの中でも
最初に出てきたのがこの形状。
コムとは櫛(くし)の事。
スペイン風の櫛に似ていたことから
こう呼ばれるようになったと言われています。
ボウバック
(bow back)
弓(bow)を強く引いたような逆U字の背もたれ。
曲げ木の技術を取り入れています。
前述のコムバックよりも強度が出しやすい
合理的な構造。
コムバックと並んで
ウィンザーチェアの基本形として
今でも根強く愛されています。
次に背もたれ”以外”の部分の形状により分別される
ウィンザーチェアを2種類。
スモーカーズボウチェア
(smokers bow chair)
ローバックチェアとして
社交場や官公庁の喫煙室で
よく使われていたことから
スモーカーズボウと呼ばれています。
座り心地の良さから19世紀前期の
イギリスの公共施設でも大流行したそう。
キャプテンチェア
(captain's chair)
「キャプテン」の名は一般的には、
船の船長室で用いられたことにちなむとされます。
(厳密にいうと船長ではなく、
補助をする水先案内人の小屋で
使われていたとか)
そのデザイン・構造は
前述のスモーカーズボウに影響されたとみられ、
アメリカで誕生後イギリスに逆輸入されて定番化。
元々の定義としては
背もたれと一体化したアームがカーブして
座面まで下りている事と、
4本の脚が貫でつながれている事
としていましたが、
今ではその定義も曖昧になり
スモーカーズボウなど、
背もたれとアームが一体化している
椅子全般をキャプテンチェアと
呼ぶことが多いようです。
【アーコールについて】
ウィンザーチェアというと
有名なのがアーコール(Ercol)社。
今のところ当店で取り扱う事は稀なので
あまり詳しくはないのですが
初めて聞くという方の為にも軽くご紹介。
アーコール社とは、
イタリア出身のデザイナー、
ルシアン・アーコラーニによって
1920年に創業したイギリスの老舗家具メーカー。
今なお、ルシアンの家族によって
経営を受け継いでいるそうです。
このアーコール社の
代表的な定番モデルを2つご紹介。
クエーカーチェア
(Quaker chair)
ボウバックにオイスターシェイプと呼ばれる座面の形。
クエーカーとはキリスト教の一派であり、名前の由来は、
神秘体験にあって身を震わせる(quake)ことから
クエーカー(震える人)と
俗称されるようになったとされています。
教徒が旨にしたのは、
労働に励むことと、簡素な生活。
家具に置いては、木材の無駄をなくし、
加工がしやすいデザインであることを前提に、
実用的で使い心地の良いものを追求。
おそらく、そんな思想を反映して
アーコールがデザインした椅子。
コンセプトからデザインに至るまで
完成された素晴らしいプロダクトだと思います。
ゴールドスミスチェア
(Goldsmith chair)
詩人で劇作家でもあった
オリバー・ゴールドスミス(1728-1774)が
所有していたことにより付けられた名前の椅子。
今ではゴールドスミスチェアと言えば
真っ先にアーコールの物を思い浮かべる方が
多いのではないかと思います。
それくらい人気のアーコールですが
アーコール以外にも素敵なゴールドスミスチェアは
あるのでお好きな方は探されてみてくださいね。
という事で今回は以上。
最後に当店にある椅子をいくつかご紹介して
終わりにしたいと思います。
ロッキングチェアch2039
スクロールバックウィンザーチェアch2037
ダブルボウバックウィンザーチェアch2036
ラダーバックアームチェアch2013