シノワズリとは?? — アンティークハウスペルラ コンテンツにスキップ
シノワズリとは??

こんにちは。
福岡県糸島市のアンティークショップ
アンティークハウスぺルラ
店長の畑です。

開催を目前に控えた
2022年中国北京オリンピック。

台湾の選手らが開会式・閉会式への不参加を表明したり、
イギリス・アメリカなどは人権問題を巡って
”外交的ボイコット”を表明したりと
連日ニュースになっていますね。

新型コロナ感染者の急増など
なにかと暗い話題や不安な出来事も多いですが
引き続き不要不急な外出を控えて
基本的な感染予防に努めたいところです。

皆様のお家で過ごす時間が
少しでも安らぎのあるものになるよう
心から祈っております。


本日のブログでは
アンティークショップでたまに目にするワード
”シノワズリ”
これについて簡単に解説していきます。

シノワズリ(chinoiserie)とはフランス語で
「中国趣味」のこと。

17世紀中頃、ヨーロッパの貴族や
富裕層の間で大流行した、家具、シルバー、
陶磁器や壁紙などに使われた
中国風のデザインの総称として使われています。

少し注意したいのが、これは
”中国本来のデザイン”というわけではなく、
”ヨーロッパ人から見た中華風”
であるという事。

ヨーロッパ人から見た東洋的デザイン。
言葉でいうと”エキゾチック”、”神秘的”などが
しっくりくるでしょうか。

具体的なところでいうと
「雷文」と呼ばれる雷をモチーフにした模様や
直線的で多角形を使った格子模様などが
挙げられます。

シノワズリキャビネットcb2046

エドワーディアンキャビネットcb2065


【シノワズリ流行の背景】

ヨーロッパで17世紀に流行したとしましたが
何故このタイミングで流行したのでしょうか?

歴史に詳しい方ならピンとくるかもしれませんが
東インド会社設立がきっかけとなっています。

(※東インド会社とは
17〜19世紀にヨーロッパ諸国が
インド・東南アジアの物産の直接輸入と
植民活動に従事させた特許会社の総称。)

これを機にオランダやイギリス、ポルトガルに
中国からの商品が届くようになります。

その中でもヨーロッパ人たちに衝撃を与えたのが
中国で作られた陶磁器や漆器。

それまでに見たことのない装飾や模様が
ヨーロッパの貴族たちを熱狂させ、大きなブームとなり
その後の絵画や建築、家具など芸術の分野にて
ヨーロッパに大きく影響を与えました。


のちに時代の最重要家具デザイナーとなる
”トーマス・チッペンデール”
彼の家具のデザインも
このシノワズリを基調としているものが多いです。



彼の話はいずれまた詳しく解説したいと思います。


【シノワズリの流行】

以上のような背景から大流行したシノワズリ。

具体的なところでは
マントルピース(暖炉まわりの装飾)に
小さな仏塔が置かれたり、
イギリス王ジョージ4世が
インド風や中国風の内装をした
“インド風ゴシック様式”の宮殿を
造り上げます。

18世紀中ごろにはフランス発祥のロココと融合。
柔らかな曲線を描いた
”ロココ風・シノワズリ”

当時から今までその存在を保っている
アンティーク家具を見てみると、
随所にシノワズリ流行の余波、
デザインのそれらしさが残っていたりして、
面白いものです。

日本では和と洋の融合が果たされ、
浸透してからまだ歴史も浅いような気がしますが、
当時のイギリスやフランスなどのヨーロッパでは、
貿易が盛んになった段階で既に積極的に
異文化を取り入れる方針を取っていた
ということがうかがえますね。




【シノワズリなインテリア選び】

シノワズリ風インテリアを目指すにあたって、
家具選びは”アンティークで探す”という事を除けば
いくらか容易に事が進むかと思います。

昨今では和風小物の人気が再燃したことで、
ミニチュアで可愛らしいアジアンの飾り物なども
見かけることが出来るようになりました。

カーテンやクッションなど、
布製品のものは和柄・中華柄を使用すれば
フロアの雰囲気は一気にそれらしくなることでしょう。

また、和を連想させるような花柄を用いたり、
実際に花を活けたりすることでも
シノワズリな雰囲気が出て良いのではないでしょうか。


…そういえばお客様の中にインテリアテーマを
「イギリスの中国領事館(想像)」
としているハイセンスな方もいらっしゃいました。

形のないイメージをインテリアで実現。
クリエイティブで格好良いですよね。


話を戻してシノワズリインテリア選び。
ここからはアンティークの話です。

シノワズリ風アンティーク家具は、
金具と木枠に特徴的なデザインが
用いられていることが多いため、
他のアンティーク家具とは雰囲気が違ったりします。

また、どの程度の比率でアジアとヨーロッパを
融合させているのかによっても、
インテリアに与える影響は変わってくることでしょう。

こういった事を考えていると
選ぶのが難しくなってきそうですが
何よりシノワズリの良い所は、
現代のモダンなデザインとの融合も容易なこと。

元が異なる文化同士を融合して
作り出された代物だからなのか、
現代のシャープな電化製品などを置いていても
さほど違和感はありません。

和室でも洋室でもしっかり馴染むので、
他のテーマに比べると空間の雰囲気を
徹底し易いのも魅力的です。

アンティークを用いたインテリアテーマの中でも、
今の暮らしと喧嘩しないテーマと言えそうですね。


〇シノワズリなインテリアは現代の文化とも融合出来る
〇和洋折衷な空間和室にも洋室にも合うテーマ
〇布類には中華・和柄をアクセントに


シノワズリ風アンティーク家具の中には
こてこてな中華風のものからさり気なく添える程度に
デザインされたものまで結構な幅があるので、
お好みでお選び下さい。


ココ・シャネルも強く影響受けたとされる
”シノワズリ”。

日本人にとっては
どことなく懐かしさが漂う人気のテーマの一つです。


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