イギリスの銀器 ホールマークの読み方 — アンティークハウスペルラ コンテンツにスキップ
イギリスの銀器 ホールマークの読み方
銀器を実際に手にしてみると、
プレートの裏側やポットの底にイニシャルやライオンなどの
絵記号が付いているのに気づかれる方が多いと思います。

この刻印のことをホールマークと言いますが、
様々なバックグラウンドを持つアンティーク銀器たちの
素性を知るのに、少しでも読み方を知っておくのは大変便利です。

多少の知識と理解があるだけで、
銀器との出会いがより感動的になるからです。

アンティーク銀器の市場が最も多いイギリスでは
金銀職人(ゴールド・スミス)組合の厳格な管理のもと、
各主要都市にアセイオフィス(Assay Office)が置かれています。

アセイオフィスでは銀器の品質を検査したり、
その保証を示すための刻印(ホールマーク)を行う場所です。

今日まで膨大な種類のホールマークがありますが、
純度や産地、工房などに大きく分けられます。
さっそくみていきましょう。

アンティークシルバーホールマーク写真


1.純度を示すホールマーク

もともと銀は柔らかいため100%純金の製品は実用的でなく、
微量の銅などを混ぜて強度を高めるのが普通ですが、
その純度によって品質グレードが分けられています。

イギリスではスターリング(Sterling Silver : 純度92.5%)と
ブリタニア(Britannia Standard Silver : 純度95.84%)の
2つの基準があり、
これらはスタンダードマーク(Standard Mark)と言われ、
それぞれホールマークで表示されます。

スターリングシルバーのホールマークは
「歩くライオン」(Lion passant)のマーク。

15世紀頃にイギリスで標準化されたもので、
純度が92.5%以下でも以上でも
スターリングシルバーということができません。

ブリタニアのホールマークは
「古代ローマの女神、ブリタニア」がモチーフになったマークです。

純度のより高いブリタニアはスターリングよりも柔らかく、
フレンチシルバーに影響を受けたデザインや
繊細な装飾が施された銀器に多く見られる傾向があります。

この2つのホールマークは
イギリス全土で共通するものなので
初心者の方でも簡単に見極めることができます。

ところで銀器の代替え品として中世の頃から銅に亜鉛、
ニッケルを混ぜたものなどがありました。

そして19世紀になるとニッケルや銅の表面に
銀メッキを付着させる“電気メッキ”の技術が開発され、
市場に豊富に出回るようになります。

これらの銀器は一般にシルバープレート(Silver Plate)と呼ばれています。

2.産地を示すホールマーク

金銀職人組合が品質を検査するために設けた
アセイオフィスはイギリス主要都市にありますが、
そのうちどの場所で行われたかを示された刻印を
アセイマーク(Assay Mark)と呼びます。

現在流通している銀器の7割は
ロンドン(ライオンの顔)、
シェフィールド(船のイカリのマーク)、
バービンガム(王冠)ですが、
その他にはエディンバラやグラスゴー、
ニューカッスル、なども見られます。

3.年号を示すホールマーク

アセイオフィスで検査された年号を示すマークは
アルファベットの刻印でデイトレター(Date Letter)と言われています。

1887年のロンドンはM、
バービンガムはN、
シェフィールドはU、
などで、
書体や枠の形を変えることで
何百年もの年号を区別化しています。

この他に、
工房や作者のイニシャルが入った
メーカーズマーク(Maker’s Mark)や、
微税確認のためのデューティマーク(Duty Mark)などの
ホールマークがあります。

ホールマークの解説書

ホールマークを詳しく読み解くための
解説書などは幾つか出版されています。

中でもイギリスの骨董商のバイブルとも言われる
JUDITH編「ENGLISH SILVER HALL-MARKS」はとても有名で、
より深く銀器の世界を楽しまれたい方は一読されるのをお勧めします。

ハンドブックを片手にゆっくりと骨董屋巡りを
楽しんでみてはいかがでしょうか?

Perlaアンティーク情報『イギリスの銀器 ホールマークの読み方』でした。
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