19世紀のフランス家具マエストロ・ソルマニとウジューヌ皇妃 — アンティークハウスペルラ コンテンツにスキップ
19世紀のフランス家具マエストロ・ソルマニとウジューヌ皇妃

革命後のフランスでは、
経済発展で裕福になった王族貴族やブルジョワジーが
好みの家具をオーダーするようになり、
腕のいい家具職人が育つ環境にありました。

中でも、ソルマニ、ギュラン、リンクは
この時代のトップ3の家具職人。

<セーヴル(Sèrvres)>
王室の伝統を受け継ぐ陶磁器製作所)にオーダーした
ジャスパー(陶板)を天板や扉に使ったり、
パリ窯
(18世紀からパリやその近郊で作られた磁器の工房のことを称していう)
のものとブロンズを組み合わせたりと、
革新的な技術と意匠性で裕福層を魅了しました。


<ポール・ソルマニ(Paul Sormani 1817-1877)>
イタリアのヴェネチアに生まれ、
30歳の頃にはパリに工房を構えました。
ナポレオン3世の妻、ウジェニー皇妃(Eugenie de Montijio 1826-1920)に従事していた関係で、宮廷の家具マエストロと言われていました。
ウジェニー皇妃はスペインの貴族の娘で、
サン=ジェルマンの修道院で学び、
華やかなフランス文化の中で育ちます。
1853年に妃に迎えられてからは
その聡明さ・美しさによって一躍宮廷文化の主役となります。
大きなスカートをやめた新しいドレスラインなどを
流行らせるなどのファッション、香水、ジュエリー、
など宮廷御用達の称号がつけられた品々は常に社交界をリードさせました。

ウジェニー皇妃
ウジェニー皇妃と侍女たち

ウジェニー皇妃はルイ16世の王妃であった
マリー・アントワネットに強い憧憬がり、
彼女の家具や調度品の収集家としても大変有名でした。

そのおかげもあり、
ソルマニはルイ16世様式の文献やオリジナル家具の
コレクションをじっくり観察し、構造や技法を研究できるという、
大変恵まれた環境にありました。

類い稀なセンスと技量でブロンズ加工や
象牙細工など18世紀の家具技術を復元させ、
当時は見られなかった古代ローマからの装飾技術や
洗練したスタイルを数多く生み出していったのです。

特にソルマニの得意だったのはマルケトリー(marquetrie)いう
17~18世紀にかけて流行った技法で、
色、木目の異なる木片を薄い板にはめ込んで模様のあるパネルを作り、
それを装飾しようとする表面に接着させていく、
というとても精巧な技法でした。

19世紀の家具の技術はまた、
18世紀と比べて木工のプロセスなど幾つか変化が見られますが、
中でも大きな革新は仕上げ方法。

これまでの伝統的なニスで仕上げる方法は、
何層もニス塗布しなくてはならず、
次を塗る前に表面がきっちりと乾いていることを確かめなくては
なりませんでした。

そして最後のニスが完全に乾いたら、
柔らかめの石、パッドを用いて平らにする方法は、
明るさや木目を綺麗に出すことができる反面、
時間の経過とともに小さな傷やハゲが見られ、
そのたびにまた職人の手によって手を加えなければなりませんでした。

そこでワックスが使用されるようになります。
ワックスをコルクで塗布し、はみ出たものを
鋭くないヘラで取り除いた後、布切れなどで輝くまで磨きます。

ワックスでのコーティングは表面が冴えなくなってきた時に
ウールなどで磨くとまた輝きを取りもどせるため、
特別に職人を必要としません。

紙やすりが新たに存在し始めたののこの時代と言われています。

19世紀は共和政や王政が繰り返され、
その間に愛されたスタイルもルネッサンスから
ルイ16世までのあらゆる王朝様式のイミテーションといった感が
あります。

しかし、単に過去の様式の模倣にとどまらず、
より洗練された装飾やデザインに昇華していったのは
ウジェニー皇妃や従事した多くの芸術家たちによるものと伺えます。

さらには中国や日本などからの影響を受けた意匠たちが
生み出した百花繚乱のごとくといった作品は、
新しい時代の感性や技術を垣間見ることができます。

Perlaアンティーク情報『19世紀のフランス家具マエストロ・ソルマニとウジューヌ皇妃』は以上です。
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