先日のブログでアンティーク照明の種類、取り扱い方みたいなものについて少しご説明いたしましたが、
今回は英仏アンティークの歴史について触れておこうと思います。
…っていうとなんかすごい詳しい人みたいな感じになってしまいますが、まだまだ勉強中の私、店長の畑(はた)。
あまり期待せずに私個人の忘備録を覗き見みたいな感じでとらえて頂けると助かります。
それでもマニアックなアンティークに関する知識トリビアみたいなものは結構出てくると思いますので、お好きな方はちょくちょく覗かれて行ってください。
英仏アンティーク照明事情について
イギリスのアンティーク照明
それでも居間や玄関ホール、台所に限られていたため19世紀中はローソクやオイルランプは現役の照明器具として使用されました。
オイルランプに革命をもたらしたのはスイス人のアミ・アルガン(1755~1803)で1784年に 彼が発明したアルガンランプで油の効率的な燃焼を促し、火力を高めると同時に煙の出を少なくすることに成功しました。
当初は非常に高価で富裕層のみに広まりました。
従来ランプ油は鯨油が主流で次第に品薄となり、ラード油を用いたり、その後にはあぶら菜やケールから採った菜種油が一般的になりました。
そして19世紀後半にエジソンが高抵抗フィラメント電球の開発に成功し現代の照明電球の礎を築き、それ以後世界に電球と電力の販売が広まっていきました。
日本のアンティーク照明
電灯用のランプがヨーロッパで普及したのは19世紀の終わりになってからですので、アンティークの照明は古くても100年前後ということになります。
アンティークの家具などに比べると歴史は浅いということになります。
イギリス製とフランス製がほとんどで、時代は19世紀後半から20世紀にかけての物が多く存在します。
イギリス製は時代によるスタイルの差はほとんどなく、シェードにはサンドブラストなどで装飾が施されたのが特徴で作家の名前などはありません。
フレンチアンティーク照明
アールヌーボーとアールデコの作品は価値があります。
ランプシェードは被せガラスやカメオガラスなどの色つきです。
最大のポイントはサインでガレ、ドームなど有名作家の作品にはサインが入っています。
英国アンティークとフランス・アンティークの独自性があり特色を生かしたデザインがアンティーク照明の面白さでもあります。
シャンデリアについて
シャンデリアといえば、宮殿をはじめ、高級ホテル.レストランや劇場などのゴージャスな場所に欠かせない、小さなガラス片で装飾した照明器具です。
代表的な生産地はイタリアのベネチアとチェコのボヘミアです。
ボヘミアでは水晶細工の名工が花瓶を作った余りの水晶片に穴をあけて青銅製の燭台に飾ったのがきっかけで水晶製のシャンデリアが作られました。
ガラスが蝋燭の光を反射して美しく輝くシャンデリアはヨーロッパ中の城貴族の館では必需品隣、中でもカラフルなベネチア製のシャンデリアは王侯貴族の人気を独占しました。
アンティークのシャンデリアは見た目よりも軽いものがあったりしますので、日本のマンションやご家庭でも取り付けられる物も多くあります。
取り付けも簡単でお部屋の雰囲気もがらっと変えてくれます。
エミールガレと日本について
エミール・ガレはロココと結びついた中国趣味、アラビアの七宝、ペルシャの写本装飾、イスラムの唐草模様などから影響を受けましたがその中でも日本美術からは特に強い影響を受けました。
日本が初参加した1867年のパリ万博に、ガレはすでに日本風のランプを出品しており、その傍らに『日本猫』が姿を見せていました。
日本風のランプはその形態こそ不明だが日本美術から引き写された虎と龍の装飾があるものでした。
またこの陶器の猫は1871年のロンドン国際博覧会にも出展されていました。
このようないきさつを考えると青年エミールガレ自身も早くから日本の陶器、竹細工、漆器、版画などを収集していたが、この1867年のパリ万博がその契機となったことが想定されています。
ガレは1872年以来備前焼の美しい壷を複数所持していたようです。
その中には獅子頭の痰壷があった。ガレは1876年にこれをガラスに置き換えたものを考案しています。
↑エミール・ガレ
ドーム兄弟の作品について
初期の作品にはエナメル彩色による絵付けが多く、1910年前後から色ガラスの粉をまぶしつける技法「ヴィトリフィカシオン」を多用して、色彩が複雑に混ざり合う重厚な色調の作品を製造しました。
ドーム兄弟の特徴的な技法としてはアンテルカレール、
ヴィトリフィカシオンなどがあります。
さらにガラスをかぶせる技術で模様に奥行きが出ます。
この技法はドーム兄弟が1899年に特許を取得しました。
ヴィトリフィカシオンは粉末状にした色ガラスをまぶして再加熱し、素地になじませるもので、ガラスの肌に多くの色を発色させることができます。
↑左2名がドーム兄弟
とまあまた長くなりそうなので今回はここまでにしておきます。。。