木材に見る家具の歴史「オーク・ウォルナットの時代」 — アンティークハウスペルラ コンテンツにスキップ
木材に見る家具の歴史「オーク・ウォルナットの時代」
本ブログで

「古代から中世までの家具にまつわる歴史」

「木材について」各種

を扱いましたが、関連して

1500年頃~1830年頃までの区分を4つに大別して
今回は

「オークの時代」「ウォルナットの時代」

の2つをまとめてご紹介します。

英国の家具は
使用される木材の種類が時代的区分名として
用いられるのが一般的です。
大別して以下の4種類の木材による時代区分があります。

〇オークの時代 1500~1660年代

〇ウォルナットの時代1660年代~1720年代

〇マホガニーの時代1720年~1770年代

〇サテンウッドの時代1770年~1830年代

これらは必ずしも歴代君主の時代区分とは
厳密には一致しませんが、おおむね重なりあっています。


「オーク・ウォルナットの時代」

ヘンリー8世(1509~1547)から
エリザベス1世(1558~1603)までは、
チューダー様式と呼称されます。

チューダー様式では、
食卓としてのテーブルは、台脚に長い板を置いたのが主流でした。

食卓の椅子は、
マナハウスの主や客人用は、
ハイバックの背もたれと肘掛けを伴った木製の椅子、
その他の人は木製の背もたれや肘掛けのない腰掛や
長椅子に座っていました。

寝台は引き続き家具として最も重きをなす存在でした。

家具と相関関係にある部屋の壁面の意匠として、
リネンホールド型のパネルも、
大陸の低地フランドル地方から伝承されます。

エドワード6世、メアリー1世を経て、
エリザベス1世ノルネッサンス時代になると、
家具も貴族階級や大地主のみの家財ではなく、
世相の安定と反映を礎に、
商人や富める中流階級にも広がりはじめました。

その結果、
それぞれの生活様式に応じた家具が誕生し始めます。
また、イタリアを発祥の地とするルネッサンス文化が、
英国に影響を及ぼした例を椅子に見ることができます。
たとえば、折りたたみ椅子のサボナローラ型や
ダンテ・チェアー型などです。

ルネッサンス様式とは
イタリア語で『再生』の意味です。

中世の枠にはめられた文化から、
人間性の解き放たれた精神を、
自然の事物の美しさ、豊かさにゆだね表現します。

古代ローマの工芸、芸術に助けを借りて様式化しました。

中世の貴族階層の館(マナハウス)は、
まず、はじめにグレートホールが中心に据えてつくられました。
そして、その時代とともに、
機能分化に応じて館の規模は拡大されていきました。

エリザベス1世の頃になると、
グレートホールの中心に位置していた火をたく場所が
部屋の壁側の 部分に移され、いわゆる暖炉型になり、
代わって、食卓が部屋の中心を占めます。
それにつれ、台脚の上に置かれた長板の食卓が、
固定の脚を持つものになりました。

家具装飾も球根型の意匠の脚に、
食卓の郷土と安定を図るストレッチャーが備わります。

椅子も腰掛けや長いすから、
背もたれのあるダイニングチェアとなりました。
そして、食卓の表面に、象嵌などの細工を施したものも
つくられるようになりました。

そういった中でも、
家具の中心は引き続き寝台でした。
寝台は、それ自体、独自の空間を維持するために、
フル・テスターの市中に、彫刻を施した
木製のヘッド・ボード、そして同じく木製の天蓋の付いた様式です。

寝台の支柱に施された彫刻は、
球根型の挽き物からカップ&カバー型の彫刻に移行します。
またこの時代、カップ・ボードが、新たに家具として加わります。

展示や収納をかねた戸棚形式の家具です。
ジェームス1世(1603~1625)時代を、ジャコビアン様式と呼びます。

ジェームス1世は、
スコットランドのスチュアート家として、
スコットランドのジェームス6世でもありました。
このスチュアート朝はクロムウェルの
ピューリタン革命を区切りとして、
前期と後期に分けられます。

ジャコビアン様式は当時の社会の成熟と、
ヨーロッパ大陸諸国からの影響により、装飾性の一段と進んだ時代です。

たとえば、これまで椅子や食卓、
そのほかの家具に用いられた挽き物は、
カップ&カバー型が主でしたが、
加えてバーレイシュガー・ターンやボビン・ターン、
ボール・ターンの形や、
階段のステアーケースから応用のバラスターの意匠を生み出します。

また、スライドする引き出しつきの家具や、
伸び縮みできるリーフテーブルなどの機能的な仕掛けが誕生します。

家具の表面加工や板目加工に、
象嵌技法が、多く用いられようになりました。

チャールズ1世(1625~1649)時代は、
チャールズ2世(1660~1685)時代に到来する
カロリアン様式のさきがけの期間とみなされます。

即位の年、
フランス王アンリ4世の末娘、
マリエッタ・マリアをめとります。
チャールズ1世は持ち前の教養と知性を発揮し、
幅広い趣味や美術工芸、装飾意匠に求めました。

それに加えて、
王妃の国フランスの影響も受け、
家具装飾史上、新しい様式の波が訪れました。

また、東インド会社によって、
海外との貿易が拡大し、
英国に無い珍しい工芸品、貴重な美術品から布地、香辛料など、
ありとあらゆる品々が到来し、
それらは多かれ少なかれ家具装飾に影響を与えるようになります。

家具部材も輸入材のウォルナットが目立ち始め、
それらはおおむね、スペインや南フランスから渡来の材料でした。
ウォルナット家具を磨きこむと、
オーク材に比較して木目の詰まった深みの
あるつやがもたらされ、また加工の作業性にも優れていたので、
様々な家具に使われるようになったのです。

その後、ピューリタン革命の時代が到来します。
クロムウェル親子の統治する共和制(1649~1660)の時代です。
禁欲の清教徒そのものを反映し、
家具装飾はカロリアン様式の芸術的豊満さや、
工芸的に洒脱さからほど遠い、
質素な機能本位のもに、取って代わられます。

クロムウェリアン・チェアに代表されるように、
側の座部と背もたれ、鋲打ちが施された縁取りの簡素な椅子が、
そのすべてを表しています。

と今回はここまで。

次回は

「マホガニー・サテンウッドの時代」

について触れていきます。
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