ティルトトップテーブルg197 — アンティークハウスペルラ コンテンツにスキップ

ティルトトップテーブルg197

¥108,000 (in tax)
  • サイズ
  • W 77 × D 76 × H 50.5 cm
  • 型番
  • g197

【商品紹介】

シンプルなフォルムの中に、長い時間を経た家具ならではの深い質感を感じられる、ティルトトップテーブルです。

この家具の特徴は、天板を立てて収納できる「ティルトトップ」と呼ばれる構造。使用するときには天板を水平に戻し、使わないときには天板を立てることで、家具そのものをコンパクトにすることができます。

装飾をほとんど施さないすっきりとしたデザインだからこそ、木材の質感や、長い年月を経た木部の表情がよく際立っています。

天板は77cm × 76cmとしっかりとしたサイズがありながら、使わないときには立てて置くことができるため、空間を圧迫しにくいのも魅力です。

サイドテーブルやティーテーブルとしてソファやアームチェアの横に置くのはもちろん、花器やオブジェなどを飾るディスプレイ用のテーブルとしてもお楽しみいただけます。

高さ50.5cmというサイズ感も、現代の暮らしの中では取り入れやすいポイント。大きなテーブルを置くほどではない場所にも取り入れやすく、さまざまな使い方ができる一台です。

【コンディション】

当店にて修復・メンテナンスを行っています。

元の塗装の傷みが激しかったため、上塗りで仕上げています。

商品の状態について、写真では分かりにくい部分など、詳しくお知りになりたい場合はお気軽にお問い合わせください。ご希望に応じて、追加の写真をお送りいたします。

【商品情報】

商品名:ティルトトップテーブル g197
サイズ:W 77 × D 76 × H 50.5 cm
原産国、または輸入国:イギリス
推定年代:1920年代ごろ
素材:ウォールナット系
配送区分:F

送料無料キャンペーン中!! チェックアウトの際に「特別送料(0円)」をお選びください。

【家具の読み物】

お茶の時間が、家具の形を変えた。――ティルトトップテーブルが生まれた理由

アンティーク家具を見ていると、「なぜこんな仕組みになっているんだろう?」と思う家具があります。

ティルトトップテーブルも、そのひとつです。
天板を持ち上げると、水平だった天板がそのまま立ち上がる。
一見すると少し不思議な構造ですが、実はこの仕組みには、18世紀のイギリスで広がったある習慣が深く関係しています。

それが、紅茶です。

紅茶が、家具を変えた

18世紀のイギリスでは、紅茶が急速に普及していきました。
やがて紅茶は単なる飲み物ではなくなります。
客を迎え、お茶を出し、会話を楽しむ。
紅茶を飲むことそのものが、家庭における重要な社交の時間になっていったのです。

それにともなって、家具にも変化が起こります。
お茶を楽しむための小型のテーブル、いわゆるティーテーブルが作られるようになりました。
当時のティーテーブルには、天板を持ち上げて立てられるものが多くあります。
なぜでしょうか。

お茶の時間が終われば、そのテーブルをずっと部屋の中央に置いておく必要がなかったからです。天板を立てれば、テーブルを壁際へ寄せることができる。
つまり、必要なときだけテーブルを広げ、使い終われば片付ける。
ティルトトップという仕組みは、こうした生活の変化の中で発達していきました。

「片付ける」だけではなかった

ここで面白いのが、当時の人々が天板を立てた家具を、単純に「収納していた」わけではないということです。

18世紀のティルトトップテーブルの中には、天板を立てた状態で暖炉の前に置き、スクリーンのように使われたものもあります。

暖炉は当時の部屋にとって重要な存在でした。
しかし、火の熱や光が強すぎることもある。
そこで天板を立てる。
すると、それまでテーブルだった家具が、今度は部屋の中の仕切りやスクリーンのような役割を果たす。

これは、現代の感覚からすると少し意外です。
家具を使わないから片付ける。
それだけではない。

家具の姿を変えることで、使っていない時間にも別の役割を与えていたのです。

家具は「使わない時間」まで考えられていた

ティルトトップテーブルを見ていると、当時の家具づくりに対する考え方が少し見えてきます。
テーブルは、食事やお茶をするときだけ必要なもの。
では、それ以外の時間はどうするのか。
天板を立てる。
そうすれば場所を取らない。
そして、その立てた姿そのものも美しい。

18世紀のティルトトップテーブルには、木材の美しさだけでなく、彫刻や象嵌、装飾的な縁取りなど、天板を立てた状態でも楽しめるような意匠を持つものがあります。

つまり、

「使っているときだけ美しい家具」ではなく、「使っていないときにも美しい家具」

として考えられていたとも言えるでしょう。
この感覚は、アンティーク家具を楽しむうえで、かなり重要なところだと思います。
家具は実用品であると同時に、部屋の中に置いて眺めるものでもある。
ティルトトップという機構は、その両方を成立させるための仕組みでもあったのです。

そして、テーブルはもっと自由に使われた

もちろん、ティルトトップテーブルが使われたのは、お茶の時間だけではありません。
ゲームをしたり、読書をしたり、書き物をしたり。
そのとき必要な場所へ移動させて使うことができました。
当時の家具は、現在のように「この部屋にはこの家具」「この家具はこの用途」というように、用途が完全に固定されていたわけではありません。
ひとつの家具が、生活のさまざまな場面に対応していたのです。

ティルトトップテーブルは、その考え方をとても分かりやすく表しています。
使うときにはテーブル。
使わないときには壁際へ。
場合によってはスクリーンにもなる。
家具そのものが、部屋の使い方に合わせて姿を変えるわけです。

そして、こちらは1920年代頃の一台

今回のテーブルは、1920年代頃のもの。

ティルトトップという構造が盛んに使われるようになった18世紀から、すでに100年以上が経った時代の一台です。
18世紀のティルトトップテーブルには、非常に華やかな装飾を施したものも多くあります。

それに対して、この一台はかなりシンプルです。
余計な装飾はほとんどなく、天板と脚部による素直な構成。
だからこそ、木そのものの表情や、長い年月を経た家具ならではの質感が強く感じられます。

100年前の家具を、今の暮らしに

高さは50.5cm。
現代の暮らしでは、サイドテーブルやティーテーブルとして使いやすいサイズです。

ソファの横に置いて、コーヒーや本を置く。
アームチェアのそばに置いて、小さな照明や花器を飾る。
あるいは、天板の上にオブジェを置いて、家具そのものを楽しむ。

そして、必要がなくなれば天板を立てる。

そう考えると、18世紀に生まれたこの仕組みは、現在の暮らしの中でも十分に自然です。

大きなテーブルを常に置いておく必要はない。
けれど、必要なときにはしっかりとした天板が欲しい。
そんな場面に対応しながら、使わないときにも家具として美しい。

ティルトトップテーブルが長い間作り続けられてきたのは、単に便利だったからだけではないのかもしれません。

暮らしの中で役割を変えながら、それでも家具としての美しさを失わない。

この一台を見ていると、そんなイギリス家具の考え方が感じられます。