ブックシェルフe216 — アンティークハウスペルラ コンテンツにスキップ

ブックシェルフe216

¥158,000 (in tax)
  • サイズ
  • W 76.5 × D 26.5 × H 110 cm
  • 型番
  • e216

【商品紹介】

直線を基調とした端正なフォルムに、繊細な装飾を取り入れたオークのブックシェルフです。

全体はすっきりとした構成ながら、バックパネル上部とドロワー前面には、キメの細かいフォリアージカーヴィングが施されています。直線的な家具の中に植物をモチーフとした曲線的な装飾を加えることで、単調にならず、ほどよい華やかさが生まれています。

そして、この家具の魅力のひとつがオークの力強い杢目です。赤みのある塗装によって木の表情がより深く引き立ち、どこかエキゾチックな雰囲気を感じさせます。

脚部には、スクエア・ブロックの台座とバン・フットを組み合わせた特徴的な意匠が見られます。全体の直線的なデザインともよく調和し、家具の足元にしっかりとした存在感を与えています。

高さ110cm、奥行き26.5cmと圧迫感の少ないサイズで、壁際に置いて本や小物を収納するだけでなく、ディスプレイ用のシェルフとしても取り入れやすい一台です。

【コンディション】

当店にて修復・メンテナンスを行っています。
商品の状態について、写真では分かりにくい部分など、詳しくお知りになりたい場合はお気軽にお問い合わせください。ご希望に応じて、追加の写真をお送りいたします。

【商品情報】

商品名:ブックシェルフ e216
サイズ:W 76.5 × D 26.5 × H 110 cm
原産国、または輸入国:イギリス
推定年代:1930年代ごろ
素材:オーク
配送区分:F

 

送料無料キャンペーン中!!チェックアウトの際に「特別送料(0円)」をお選びください。

【家具の読みもの】

なぜイギリス家具には、植物が彫られるのか?

このブックシェルフを見ると、まず目に入るのがバックパネル上部とドロワー前面に施された植物の装飾です。
細かな葉が連なるように彫られたこの装飾は、家具の世界では**フォリアージ(Foliage)**と呼ばれます。
フォリアージとは、葉や枝、蔓などの植物をモチーフにした装飾のこと。
アンティーク家具を見ていると、葉、花、蔓、果実といった植物のモチーフは驚くほど頻繁に登場します。

では、なぜ家具に植物を彫るのでしょうか。
単純に「自然が好きだったから」ではありません。
その背景には、西洋の装飾文化そのものの長い歴史があります。

植物は、古くから「美しいもの」の象徴だった

植物を装飾に使う文化は、イギリス家具から始まったものではありません。
古代ギリシャやローマの建築・工芸では、アカンサスの葉などが盛んに装飾として使われました。

その後も、ルネサンス、バロック、ロココなど、ヨーロッパのさまざまな時代で植物は重要な装飾モチーフとして受け継がれていきます。

面白いのは、植物がそのまま写実的に表現されるとは限らないことです。
実際の葉を観察しながらも、形を整理し、左右のバランスを整え、蔓を巻かせ、葉を連続させる。

つまり、**自然そのものをコピーするのではなく、「自然を家具の中で美しく見える形に変換する」**のです。これが、フォリアージの面白いところです。

家具の上で、植物は「動き」をつくる

木製家具は、基本的に硬く、静的なものです。
四角い箱。
水平な天板。
垂直な脚。

こうした直線の組み合わせだけでも家具は作れます。
ところが、そこに植物の葉や蔓が加わると、家具の表情が一気に変わります。
葉は曲がり、蔓は伸び、枝は分かれます。
直線的な家具の中に曲線が入り込むことで、視線が自然に動く。

このe216も、全体としてはかなり直線的なフォルムです。
そこにバックパネル上部のフォリアージカーヴィングが加わることで、家具全体に柔らかな動きが生まれています。

これは単なる「飾り」ではありません。
家具の形そのものを視覚的に変える役割を持っているのです。

「自然」を家具に持ち込むということ

もうひとつ興味深いのが、植物というモチーフそのものです。
家具は人間が自然の木を加工して作るものです。
そこにさらに、別の自然物である葉や蔓を彫り込む。

つまり家具には、
自然から採った木材を、人間が加工し、その木材の上に再び自然の姿を表現する
という少し不思議な構造があります。

もちろん職人にとっては、そんな哲学的なことを考えながら一枚一枚の葉を彫っていたわけではないでしょう。
それでも、木という素材と植物という装飾の組み合わせには、どこか必然性があります。
特にオークのように木目そのものに強い表情を持つ素材では、彫刻と木目が重なることで、家具全体に非常に豊かな表情が生まれます。

なぜ「葉っぱ」なのか

では、花ではなく葉なのはなぜでしょう。
もちろん花も西洋家具では頻繁に使われます。
ただ、葉や蔓には花とは違う大きな特徴があります。

連続させることができる。

一枚の葉から次の葉へ。
蔓が伸びて、その先にまた葉が付く。
左右対称にもできるし、帯状に展開することもできる。

そのため、家具の縁やパネルの中に植物装飾を組み込むのに非常に適しています。
家具職人にとって、フォリアージは単なる「植物の絵」ではありません。
家具の空間を埋め、形を強調し、視線を導くためのデザイン要素でもあったわけです。

そして、この家具を見る

ここまで知ったうえで、もう一度e216を見ると、バックパネル上部の装飾が少し違って見えてきます。家具そのものは、かなり端正です。

直線的なフレーム。
整然とした棚。
シンプルなスクエア・ブロックの台座。
そしてバン・フット。

ところが、その中に細かな植物の彫刻が入っています。
さらにドロワー前面にもフォリアージカーヴィングが施されています。

直線と曲線。
静けさと動き。
人工的な形と自然の形。

この対比によって、家具全体が単調にならず、見る場所によって違う表情を見せてくれます。そしてもうひとつ、この家具を面白くしているのがオークそのものです。

力強い杢目と赤みのある仕上げによって、植物装飾の繊細さとは対照的な、少しエキゾチックな雰囲気があります。

繊細な彫刻だけでもない。
力強い木目だけでもない。

異なる要素が一つの家具の中で組み合わさっている。

アンティーク家具を見る面白さは、こうした細かな意匠が、実は何百年にもわたる装飾文化の流れの中にあることを知ることにもあります。

普段なら「葉っぱの彫刻」として通り過ぎてしまう部分も、少し知識を持って見るだけで、そこには家具職人が積み重ねてきた技術と、西洋の装飾文化の歴史が見えてきます。

そして何より面白いのは、そうした長い歴史を背負った装飾が、最終的には一枚の木の板の上に、小さな葉として刻まれていること。

アンティーク家具は、遠くから全体を見るだけでも美しいものですが、近づいて細部を眺めると、また別の世界が見えてきます。