アンティーク家具におけるバロック様式 — アンティークハウスペルラ コンテンツにスキップ
アンティーク家具におけるバロック様式
アンティーク家具におけるバロック様式

みなさんはバロック様式と聞いて何を思い浮かべますか?

良く耳にする「バロック様式」という言葉ですが、
いつ、どのように成立したのか意外と知らない方も
多いのではないでしょうか?

今回の記事では、
そんな「バロック様式」の概要、成立過程、普及について
ご紹介したいと思います。


ヨーロッパ芸術における様式分類とは?

まず初めに、
ヨーロッパにおける芸術様式の区分についてご説明します。

「様式」という言葉は、
ある一定の特徴を備えた芸術に対して、
便宜的に区分を設け、取りまとめて表現する方法です。

ヨーロッパ美術の代表的なもので言うと、

「ロマネスク様式」

「ゴシック様式」

「ルネサンス様式」

「バロック様式」

「ロココ様式」

などが挙げられます。

これらの様式の主な特徴の基盤となっているのは教会建築です。
ヨーロッパでは特に、教会建築・装飾において用いられた
芸術的特徴が他の美術・装飾に影響を与えることが多く、
「バロック様式」もその例に漏れず、
教会の一建築様式という立位置での認識が一般的です。

それぞれの時代性の中で流行している定型が、
建築様式で一層顕著に表れているという見方もできます。



バロック様式アンティーク家具の歴史

【概要】

バロック様式とは、
前時代の様式である「ルネサンス様式」に反発する形で
誕生した芸術様式です。

「ルネサンス様式」が調和・均衡を最も大切にした
美術であるとすれば、

バロック様式はあえてその調和を崩し、
意図的にダイナミックな構図を目指すものであると言えます。

正円が多用されたルネサンス様式とは異なり、
バロック様式では楕円形が好まれたのもその象徴的な例の一つです。

絵画、建築様式では、
あえて傾いた不均衡な構図を採用することで、
作品全体に緊張感と躍動感を与え、
見る人に力強い印象を与える効果をもっています。

家具においても同様に
あえてバランスの崩れた構造や装飾を施し、
劇的な存在感を放つという特徴があります。

【成立】

バロック様式の成立過程には、
ミケランジェロの寄与するところが大きいと考えられています。

ミケランジェロは
イタリア・ルネサンス期からバロック期に活躍した巨匠のひとりで、
バチカン市国にある『システィーナ礼拝堂』のフレスコ画など、
本業であった彫刻以外にも多くの作品を残しています。

バロック様式の成立は
1580年代に開始したとされています。
この時代、長く文化的に強い影響力を
持っていたローマ・カトリックと対立するように
生まれた新しい科学・宗教改革の潮流の中で、
バロック様式が成立していきました。

バロック様式の成立において
特に興味深いことのうちの一つは、
建築、絵画、家具など、屋敷を取り巻くすべての環境を
包括して一つの芸術を作り上げることが目指された点にあります。

そのため、
バロック様式の家具は依頼主である貴族や
上流階級の人々の意向が大きく反映されています。

一見過剰に見える装飾は、
設置される場を全体的に見たときに、
程よい存在感を与えてくれるデザインとなっています。


【普及】

バロック様式は、
感性に直接的に語り掛ける非常に明確な
表現構造を持っており、
例えば、「光」や「雲」と言った形のないもの、
立体では表現しづらいものまで、可視化しました。

バロック様式の芸術でよく見られる表現の一つに、
絵画と彫刻の境目をあえて曖昧にし、
全体に立体感とリアリティを持たせるものがあります。

バロック様式のアンティーク家具も
例に漏れずその影響を受けており、
そのダイナミックで立体的な装飾は、
見る人の目を引き、圧倒します。

そのため、
貴族たちがこぞってバロック様式を
屋敷の装飾に取り入れ競争したことで、
時代を追うにつれますます豪華絢爛になっていきました。


魅力あふれるバロック様式アンティーク家具

いかがでしたか?
バロック様式の魅力は、
その立体感と大胆で荘厳な装飾にあります。

その豪華さゆえ、
一つバロック様式のものを取り入れるだけで
部屋の雰囲気が華やぎ、洗練された印象を与えてくれます。

優雅かつ立体的でありながら、
それぞれに異なる魅力を持つバロック様式の家具、
ぜひお気に入りのデザインを見つけてみてくださいね。


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