なぜ19世紀のイギリスで 「手仕事」を守ろうとした人たちがいたのか — アンティークハウスペルラ コンテンツにスキップ
なぜ19世紀のイギリスで 「手仕事」を守ろうとした人たちがいたのか

20世紀に入る少し前。

イギリスでは、
家具も建築も、
どんどん機械化されていきました。

産業革命によって、
大量生産が広がっていった時代です。

同じ形の家具を、
早く、
大量に、
安く作れるようになった。

これは当時としては、
かなり革命的なことでした。

でもその一方で、

「何か大事な物が失われている」

と感じた人たちもいたんですね。


19世紀のイギリスは、

“世界の工場”だった


19世紀のイギリスは、
世界で最も工業化が進んだ国でした。

蒸気機関。
鉄道。
工場。
大量生産。

ロンドンには世界中から物と富が集まり、
イギリスは
“世界の工場”
とも呼ばれていた。

でも、
急速な工業化によって、
街並みも生活も大きく変わっていきます。

煙に覆われた都市。
劣悪な労働環境。
機械的な大量生産。

便利にはなった。

でもその反面、
どこか無機質になっていったんですね。


「役に立つ」だけでは、

豊かじゃない


そんな時代に現れたのが、
ウィリアム・モリスたちです。

モリスは、
19世紀イギリスを代表するデザイナーであり、
思想家でもありました。

彼らが考えていたのは、

「便利さだけが豊かさなのか?」

ということ。

大量生産された物は、
確かに安くて便利です。

でもそこには、
職人の痕跡や、
素材の豊かさ、
作る喜びみたいなものが薄れてしまう。

だからモリスたちは、
中世の手仕事文化に強く惹かれていきます。

木。
布。
植物模様。
自然素材。

人の手で、
丁寧に作ること。

それ自体に価値がある、
と考えたんですね。


実は、

今の感覚にかなり近い


面白いのは、
アーツ・アンド・クラフツ運動って、
今の感覚にかなり近いことです。

大量生産より、
少し高くても長く使える物。

効率より、
素材感や空気感。

今でも:

  • 無垢材
  • 手仕事
  • 経年変化
  • クラフト

みたいな言葉に惹かれる人は多い。

それって実は、
19世紀のイギリスで、
既に始まっていた感覚なんですね。


アンティーク家具には、

「反発の歴史」も残っている

アンティーク家具って、
単に古い家具が残っているだけではありません。

その時代の:

  • 豊かさ
  • 技術
  • 流行
  • 反発
  • 違和感

みたいなものまで残っている。

19世紀のイギリスでは、
機械化が進んだからこそ、

「人の手で作る価値」

を守ろうとした人たちがいた。

だから古い家具を見ていると、
単なるデザイン以上に、

「その時代の人が、
何を失いたくなかったのか」

まで見えてくる気がします。


そして面白いのは、
こうした“手仕事への憧れ”が、
20世紀に入ると、
今度は北欧デザインにも繋がっていくことです。

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