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イギリスのテーブルに関する用語解説
こんにちは。
福岡のアンティークショップ、
アンティークハウスぺルラ店長の畑です。

おかげさまで
当店は営業開始から11年目を迎えております。

2020年12月からぺルラ店長として
アンティーク業界に足を踏み入れた私。

初めてアンティークに出会った当初は
その呼び名や木材、様式などたくさんありすぎて
ワクワクしながらも混乱したものでした。

教科書なんてないこのアンティークの世界。

毎日たくさんのアンティークに触れ、
分からないことがあれば
私はこの道十数年のバイヤーや、関係者の皆様、
またはネットや文献から学んでいます。

私にとっては新しい発見の連続で楽しいのですが、
アンティーク初心者の方にとっては
時に障壁となるややこしい用語たち。

アンティークをより身近に感じて頂けるよう
今日はアンティークテーブルの種類について
よく目にする物を取り上げてご紹介します。


それではどうぞ。


イギリスのテーブルに関する用語解説

ネストテーブル
(Nest Table)

ネストテーブルtb2053

同じデザインの、大・中・小3つのサイズが
セットになった入れ子式のテーブルです。

必要に応じて
それぞれのテーブルを取り出して使うことが可能。
「nest」には、「入れ子」という意味があります。


ドローリーフテーブル
(Draw Leaf Table)

バルボスレッグドローリーフテーブルtb40k

天板の下に隠れた予備の天板を引き出し、
広げて使うことのできるテーブル。
「draw」には、「引く」という意味があります。

ドロップリーフテーブル
(Drop Leaf Table)

ツイストレッグドロップリーフテーブルtb2050

両サイドに折り畳みできる天板がついたテーブルで、
バタフライテーブルと呼ばれることも。

必要に応じて片側だけ、
または両側共開いて使うことができます。

「drop」には、
「下す」、「垂らす」という意味があります。


ゲートレッグテーブル
(Gate Leg Table)

ゲートレッグテーブルtb2023

ドロップリーフテーブルのように
両サイドに折り畳みできる天板がついたテーブルですが、
足を回転させて天板を支えるようになっています。

そのため、ドロップリーフテーブルよりも
安定感があるのが特徴です。

コンソールテーブル
(console table)

ハーフムーンゲームテーブルtb2006

後ろ側を壁につけて花瓶や胸像などを置いて
飾り棚として使われる小さめのテーブルです。
ピアーテーブルと呼ばれることもあります。


リボルビングブックテーブル
(Revolving Book Table)

リボルビングブックケースcb2038

天板の下にいろんな方向を向いた
ミニ本棚がついていて、
天板を回転させることで、
奥にある本も取ることができるテーブルです。

「revolve」には、「軸を中心に回る」という意味があります。


ハーフムーンテーブル
(Half Moon Table)

マホガニーハーフムーンドロワーテーブルtb1002

半月(Half Moon)のような
半円型のテーブルです。

満月型でありながら、
片側の天板を折り畳めるタイプの
ハーフムーンテーブルもあります。


サザーランドテーブル
(Sutherland Table)



第2代サザーランド公爵の夫人ハリエットにちなんで
名がつけられたテーブルです。

ハリエットは、ヴィクトリア女王の女官長で
友達でもありました。

このテーブルは、お茶や朝食の時、
または女性がゲーム遊びする際に使われました。

両サイドの天板がドロップリーフテーブルなどに比べて長く、
折り畳むとテーブルの幅が細くなるので、収納に便利です。

ルーテーブル
(Loo Table)

ティルトップテーブルtb2014

ティルトップテーブル(Tilt-top Table)の一種で、
19世紀はじめにフランスからイギリスに伝わった
「ランタールー(lanterloo)」
(ルーとも呼ばれる)
というカードゲームを行うために作られました。

ルーテーブルは、
天板が半円か楕円形で、
収納しやすいよう天板が垂直に
折りたためるテーブルです。

「Tilt-top」には、
「甲板が垂直に倒せる」
という意味があります。
天板が四角い場合も
ルーテーブルと呼ばれることがあります。


ペンブローク(ペンブルック)テーブル
(Penbroke Table)

ペンブロークテーブルtb2043

両サイドの天板が折り畳める
小さな朝食用テーブルで、
食器などを収納する引き出しがついています。

第9代ペンブルック伯爵ヘンリー・ハンバートに
ちなんで命名されました。

ヘンリー・ハンバートは、
父の代から続くアンティーク収集家で、
建築家としても活躍。

ペンブロークテーブルは、
家具デザイナー・トーマス・シェラトンによって、
足にキャスターが付いたタイプも作られました。


クリケットテーブル
(Cricket Table)

C18th elm cricket table of small proportions

3本の脚の上に、
円形の天板が載ったテーブルのこと。
天板の形は、六角形などの場合もあります。

天板の下に3角形の棚がついたタイプも。
3本脚のほうが、4本脚よりも、
床が平らでない場合にも安定しやすいようです。

「クリケット」という名の由来には、
クリケットの試合を見るために使われたという説、
クリケットの試合に使われる
ウィケット
(スタンプという柱3本とベイルという横木2本からなる)
に形が似ているためという説、
「cricket」(コオロギ)の足にテーブルの足が
似ているからという説などがあります。

一番有力なのは、3本脚の椅子「クラケット」の
呼び名から転じたという説です。


以上、
イギリスの主なアンティークテーブルの種類
についての解説でした。

本当はまだまだたくさんあるのですが
これくらい覚えておけば困ることは
ないかなと思います。

皆様のアンティークテーブル選びの
参考になれば幸いです。


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