アンティーク家具の素材について — アンティークハウスペルラ コンテンツにスキップ
アンティーク家具の素材について
こんにちは。
7/3より福岡県糸島市加布里1丁目16-224
に店舗を移し営業を開始しました
アンティークハウスぺルラ店長の畑です。

当店はイギリスやフランスのアンティーク家具を中心に
ヨーロッパのアンティーク家具を取り扱っております。

今日はアンティーク家具の素材についてのお話です。

アンティーク家具と言うと、
古い木材を用いた立派なテーブルやキャビネットなどを
連想する方が多いのではないでしょうか。

アイアンや真鍮(ブラス)など
色々な素材の家具が出回っているけれど、
やはり木材で作られた物が大部分を占めます。

では、アンティークに用いられる木材には
そもそもどんな種類があるのか?
それぞれの特徴や具体的な違いは何なのか?

そんなことが気になっている方も
いらっしゃるのではないかと思います。

今日はそんな疑問を解消すべく、
アンティーク家具で使われている代表的な木材の種類や特徴を
大きく3つに分けて簡単にご紹介します。



①15世紀に始まり、長く愛されてきたオーク材

くすんだ黄褐色をしたオーク材は、
15世紀にはイギリスで家具作りに使われていたことが分かっています。

よく「樫の木」と訳されますが、
正確には日本で言う「ミズナラの木」のことです。

産業革命の起きた1700年代に入ると、
家具の生産量が増加しました。

その結果、
国内の資材が不足したため北欧などから輸入したり、
別の材質も用いるようになりました。

それまでは最も一般的に使われていたそうです。
だから現在でもオーク材の家具は手に入りやすく、
種類も多いです。
特徴は何と言っても、その硬さ。

硬くて丈夫な素材のため、
彫刻などの細工に耐えることができます。

具体的には
「バルボスレッグ(パイナップルレッグ・メロンレッグとも呼ばれる)や、
15世紀後半から盛んに取り入れられるようになった「ツイストターニング」
などが有名です。

これはいずれも脚に施す装飾を指します。
バルボスレッグは球根(バルボス)のような形をした飾りを彫刻し、


ツイストターニングはツイスト状、もっと分かりやすく言えば”フジッリ”というマカロニのような形に細く削り出したものです。
バーリーシュガーツイストなどとも呼ばれます。



また、脚以外では「ローレリーフ」も見逃せません。
これは文字通り表面に浅くレリーフを施すことで、
16世紀頃から始まりました。



いずれも硬さと丈夫さを持つオーク材だからこそ可能な技術です。
だからこのような細工がされた家具が欲しい場合は、
オーク材を使った物を中心に探すと良いでしょう。




②縮まない。安定した材質のウォールナット

次に紹介したいのが、ウォールナットという素材です。

日本で言うクルミのことで、
16~17世紀にフランスやイタリア、
そしてイギリスでも家具づくりによく使われていました。

クルミの木は厳しい寒さの中でゆっくりと成長するため、
硬くて衝撃に強く、耐久性にも優れなおかつ軽いということから、
扱いやすいということで根強い人気があります。

また、伸縮もしにくいため、
家具の構造材として非常に優れています。

非情に堅牢な素材のため、
使用されるのは椅子やテーブル、
あるいはキャビネットなど普段使いの家具が多いです。

特徴としては硬さはもちろんですが、
加工もしやすい点が挙げられます。
寄木細工や、インレイと言って表面に絵柄を彫ったうえで、
溝の部分に違う色の素材を嵌め込む高度な技術が
用いられることも少なくありません。

また、表面に何かを塗っても剥がれにくいため、
金箔を施した家具にもウォールナットがよく用いられています。

そして当時はロココ調の曲線を描く華やかな家具が好まれたため、
ロココ調の家具にもウォールナットは多く使われていました。




③木材の王様とも呼べるマホガニー

アンティーク家具の素材として、
絶対に外せないのはマホガニーです。

元々イギリスでは自生していなかった素材ですが、
「タバコの輸入の際、用いられた箱」
それがきっかけで家具として用いられるようになりました。

これは18世紀にヨーロッパに入ってきてから
あっという間にブレイクし、
原産地であるキューバなど中南米に多くの人が伐採を
目的に押し寄せたそうです。

マホガニーは”世界の銘木”の1つとして数えられており、
木材でも最高級品として現在も珍重されています。

特徴は頑丈さと軽さ、
そして赤褐色の美しい木目の色などです。

しかも頑丈でありながら材質が柔らかいので加工しやすく、
彫刻職人などにとってはまさに最高の材料でした。

また、木目がしまっているため、
長さを保ったまま薄く切ることができます。

だから1枚板によるエクステンション・ダイニングテーブルなど、
これまで作ることができなかった家具も、作れるようになりました。

手間暇かけて作られた家具が多いため高価ですが、
経年変化も美しいため長く使えば使うほど味わいが深くなります。

マホガニー材のアンティーク家具たち



まとめ

ここまでアンティーク家具で用いられる木材の種類、
そして特徴について述べてきました。

いかがだったでしょうか?
それぞれ良いところがありますので、
ぜひ比べてみてお気に入りの一点を見つけてくださいね。

この3つの木材について、過去にもっと詳しく
深掘りして書いてある物もございますので、
気になられる方はぜひぜひこちらもチェックしてみてくださいね。
↓↓↓
木材について~オーク編~
木材について~ウォールナット編~
木材について~マホガニー編~


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